いざ手術室へ
点滴を自ら押しながら別棟の手術室へ。
両親と男性看護師さんと私の4人。
これから手術するとは思えないほど平常心。
もうここまで来たらあとはお医者さんに任せるしかないですし。
エレベーターを降りると左手に“手術室”の文字が飛び込んでくる。
この自動ドアの向こうがまさに手術室。
看護師さんが『ではご両親はここまでになりますので、あちらの方でお待ち下さい』と廊下奥のベンチを指差す。
『じゃあね』『頑張ってね』という何気ない会話を交わし別れたあとは看護師さんと2人でその自動ドアの向こうへ。
前日に説明を受けに来てるとはいえ、やはり緊張感が伝わってくる独特の雰囲気。
最初の自動ドアを抜けたところで患者の受け渡し?のようなものがあり一緒に来た看護師さんもここまで。
その奥に行くといくつもの手術室に分かれている。
ホワイトボードに手術を受ける患者の名前や手術内容などが書いてあって1日に何件も手術があるのがぱっと見でわかるようになっていた。
一旦そこで椅子に座り麻酔科の先生(若い女性だったので看護師さんかと思ったけど麻酔の管を入れてくれてたので先生なのかな?)に自分の名前と手術内容を聞かれる。
病院では常に手首にバーコードをつけていて点滴や回診の度にピッとされるんだけど手術前に自分の口から言うのも医療事故を防ぐひとつの理由なのですな。
看護師さんに左右どちらの卵巣の手術かも伝えたあとそのまま手術室へ案内される。
そこでずっと気になっていた事を聞いてみる。
『取った卵巣嚢腫って自分で見る事出来ますか?写真でもいいんですけど』
もしかしたら卵巣ごと取るかもしれないので自分の目でどんなものが私の体にあったのか見ておきたくて。
すると『先生に言っておきますね〜』との返事。
案外あっさり。よかった。
手術室に入るとまたそこは不思議な雰囲気。
緊張感漂う温かみのない部屋。
色で言うとステンレスのシルバーとグリーンって感じ。
出来る限りキョロキョロしてどんなものが置いてあるのかひたすらガン見。
部屋の真ん中に手術台がありその横で手術に使う器具をガチャガチャと準備する人。
(あぁこれドラマでよく見るやつだ)
点滴ごと手術台の左側に立つように言われる。
その時点で手術室には4人くらいの先生?看護師さん?が。(まだ執刀医の先生は登場していない)
2.3段の台を登り手術台に座ると上半身だけ全部脱ぐように言われる。
その時麻酔科の女性医師がタオルで上半身を隠してくれたので恥ずかしさは特になし。
Tシャツを脱いで畳んでいると『これってもしかして韓国の…ですか…?』と。
どうやらTシャツに書かれているBIGBANGの文字を見たらしい。
『知ってるんですか?』と聞くと『全然詳しくないですけど…』との事。
それでもBIGBANG知ってくれてるのかぁと妙に嬉しくなる(笑)
でも多分先生は『韓国のBIGBANGですか?』の意味で言ったと思うんだけど私の中で勝手に『韓国のグッズですか?』と変換してしまい『あ、これドームツアーの(グッズ)です』と返してしまった…。日本のグッズなのか韓国のグッズなのかBIGBANG詳しくない人にとってはどっちでもいいだろ、と手術後しばらくして反省(笑)
そんなやりとりが手術室であるのもまた雰囲気な感じ。
緊張感が少し溶けた瞬間でもあった。
上半身脱いだあとは手術台に仰向けに。
すると数人の人が一斉に私に点滴やら心電図やら色々手際よく取り付けていく。
みんな早い。(プロだから当たり前か)
ピッピッ…というこれまたドラマでよく聞く心電図モニターの音が手術室に響くといよいよ始まるんだな、とドキドキしてくる。
上半身はタオルで隠したまま体を横向きに、体を丸めるような体勢をとる。
背中から麻酔の管を入れるらしい。
痛かったらすぐ言って下さい、と言われしばらくすると腰のあたりがジワァと温かさとともになんだか痛みが。
痛いです、と言うと一度管を抜いてまた違う場所に入れている。
2回目で決まったんだけどその管を入れる場所が難しいのかすんなりとはいかなかった。
その間私は横向きにされながらも目を出来る限りキョロキョロ。
ふと気づくと手術室に音楽が。
部屋の隅に音楽プレイヤーが置いてあってそこのスピーカーからJ-POPが流れている。
誰の曲か気になったのですぐ目の前で私の体を軽く押さえていた男性医師に『これ誰の曲ですか?』と聞いてみた。
ちょっと待ってね、とスピーカーの所まで見に行ってくれ『“塩コショウ”だって』と言いながら帰って来たんだけど私思わず
『えっ?????(笑)』誰ですか???(笑)
塩コショウってアーティスト名???
え、誰だ?誰だ?と手術前に気になる気になる。
お互い『知らない人だね〜』ってなったんだけど私があまりにも誰だろうってなってたからかまた確認してくれて(優しすぎる)
結局GReeeeNの“塩、コショウ”というアルバムだという事が判明!(笑)
あぁ〜スッキリ!その中の“いつまでも”という曲。
私の中で思い出の一曲に(笑)
そんなこんなで執刀医の先生登場。
パソコンをいじいじ。
手術室の大きなモニターに私のMRIの画像が映し出されてる。
どんな感じなのか再確認ってとこなのかな。
私の方へ来て『取ったやつなんですけど写真でもいいですか?』と。
あ、さっそく伝えてくれたのかと安心。
取ったモノを見たいって申し出る人はどのくらいいるのかなぁ。思ってても言わない人もいるのかしら。
自分としては一生に一度(だと思いたい)の事なので見ておきたい派なんだけど。
背中の管も無事に入るとそのまま仰向けに。
この時点ではまだ下半身はパンツもスウェットも履いたまま。
仰向けになると私のまわりに何人もの人が立っているのがよくわかる。
目で見えた感じだと6〜7人はいたかな。
みんな私を覗き込むようにしてるのがなんどか異様だった。
例えが悪すぎるけど自分が棺桶に入ってるような感じ。
女性の声で『では麻酔かけますね〜』と聞こえると白い蒸気のようなものと一緒に酸素マスクが私の顔の上に。
麻酔かかるのをどれだけ我慢する事が出来るんだろ、と小学生のような事を考えていたけどマスクをかけられた瞬間見事に目を閉じてたよね(笑)
つづく
手術当日(入院2日目)
朝5:00起床。
病院の起床時間は6:00なので1時間早く目が覚めた。
前日に飲んだ下剤の効果で腹痛があり。
しばらくシャワーも浴びられないので汗拭きシートで体を拭き綺麗にしておく。
8:00頃、突然K先生が登場。
この病院を紹介してくれたK先生。
普段はご自身がされている婦人科の病院にいて毎週金曜日の外来と朝自分の病院が始まる前にここに顔を出しているらしい。
約1ヶ月前、私がひどい腹痛ではじめて病院に行った時以来に会うのでなんだか久しぶり。
まさか入院中に会えるとは思ってなかったので突然の登場にビックリしていると『(僕のこと)わかりますか?』と聞かれたので『もちろんです!』と答える。
『今日手術なんでしょ?』と色々話を聞いてくれる優しい先生。
最近は卵巣嚢腫の手術というと腹腔鏡でやるのが多いけど私の場合は開腹になったのでそれが少し心配で、と言うと手術を食事と障子に例えて話してくれた。
障子の向こうにご飯が用意されてるとするでしょ?
その障子に小さな穴を開けて箸を通してご飯を食べるよりも障子を開けてご飯の目の前に座ってしっかりとどんな料理があるのか目で確認しながらご飯食べた方がわかりやすいじゃない?開腹手術ってそんな感じだよ。
なるほど、わかりやすい(笑)
癒着もあるししっかり取るなら開腹の方が確実だしあとあと安心だよ、と言われ手術への不安が少し解消される。
子宮筋腫も見つかって切るか切らないか自分で決めないといけないんです、と言うと『どっちでもいいって事はたいしたものじゃないって事だから大丈夫でしょ。とりあえず今日の手術がんばってね』と、わりとあっさり。
ま、そうですよね、と考えすぎて頭パーン状態にまでなっていた自分を思い出す。
やっぱり子宮筋腫は切らなくてヨシっと…。
K先生と話して緊張感もほぐれ安心しているところで主治医の先生登場。
やっぱり子宮筋腫は今回やらなくて大丈夫です、と伝えると『良い選択だと思います』と言われなんだかスッキリ(笑)
手術前に色々聞いておきたい事があったような気もするけどさっきK先生と色々話したので特に思い浮かばず←
『今日○○さんの前に2〜3件手術が入ってて、ちょっと押すかもしれないので少しお待たせしちゃうかもしれません』と。
予定では私の手術は13:20〜。
9:20頃から点滴開始。
何時に始まるのかドキドキしながらその時を待つ事に。
手術日という事で入院中1番気合が入るこの日。
まさにこの時を待ってましたと言わんばかりにBIGBANGのツアーTシャツに袖を通す。
韓国のコンサートで着た以来のTシャツ。
部屋着でも着てなかったのにまさか病院で着ることになるとは…。
デザイン的にはシンプルなので気づかれる事はないだろうと思っていたのにさっそく母親世代の看護師さんに気づかれた(笑)
『あ、あれ?!それ…BIGBANGの…!』
『え?!これわかるんですか?!ファンなんですか??』
『毎年(コンサート)行ってグッズ買ってるんです(照)』
なんとまぁ!ここでびっぺんさんに会えるなんて!(笑)
忙しそうだったのでそれ以上の会話は出来なかったけどなんだかテンション上がった瞬間。
その後は特にする事はないけど動画とかを見る気にはなれなかったのでただひたすらボーっとして過ごしていると10時頃なんだか病室が慌ただしくなってきた。
6人部屋で私ともう1人しかいなかったところへ新たに3人の入院患者がやってきた。
普段はカーテンをしているので外の様子はよくわからないけどそれぞれ親同伴で来ているよう。
年齢的には30代後半と20代前半くらいの女性。
1人の方がお母様と一緒に『今日から入院します○○です』と挨拶してくれた。
入院事情はよくわからないけど私が見てた感じだとみんな基本的にそれぞれカーテンを閉めているので同じ病室の人とあまり接触してない感じだったなぁ。
年齢とかも関係あるかもしれないけど…。
特に20代30代の人はあまり喋ったりしてなかったかも。
私も入院中、他の患者さんとはほぼ喋らなかったし…。
話しかけられたら話せるけどこちらから話しかけるというのがなかなか出来ない性格なので最後の方はもうちょっと頑張って話しかければ良かったと少し後悔もした(笑)
12:30に看護師さんの回診。
体温は37.5度。微妙に熱がある。
下剤の事を聞かれたので特に便意はないけどなんだか出切ってない感じがして…大丈夫ですかね、と聞くと『腸の手術じゃないし、まぁ大丈夫でしょ』と笑顔。
ネットで見ると全身麻酔中(手術中)に便が出てしまう事もあるって書いてあるしそんなんなったら恥ずかしいし(でも意識ないから自分はわからないし)手術後はベッドから動けないからもしトイレに行きたくなったらベッドの上で排便って聞いてるしそんなの絶対嫌だしってなんだか手術の事よりもトイレの心配ばかりしてしまう自分(笑)
何度かトイレに行ってみるけど特にもう何も出てこないので一旦その心配を頑張って忘れる事にした(笑)
点滴も始まったしトイレも行ったし、そういえば着替えってどうするんだろう…手術着はいつ着るの?と気になり看護師さんに聞いてみると手術室で着替えるからそのままの格好で大丈夫との事。
病室で手術着に着替え、ストレッチャーで手術室まで運ばれ…というのを想像していたのでちょっとビックリ。
点滴を自分でカラカラ押しながら徒歩で行くとの事。
徒歩か…
確かに手術前だし元気だしね(笑)
12:30頃に両親が来てなんだか落ち着かない様子。私より緊張しているみたい。
万が一手術中に予定と違う処置をしなければならなくなった場合、どうしてもそれしか方法がないと言われたらそれで了承して大丈夫だからね、と伝える。
予定ではどちらかの卵巣は必ず残すと言われているけど開けてみてどっちもダメってなったらそれはそれで仕方ないから。
手術中に両親に同意を求めてって事があるのかどうかはわからないけど、あとあとその事で両親を後悔させてしまうのが嫌だったので念のため。
そんな話をしていると看護師さんがやってきて、前の手術が長引いているので13:20が13:50に変更しましたとの事。
待ってる時間が1番緊張する。
立ったり座ったりトイレ行ったり。
これからが大変なんだよなぁと実感があるのかないのかわからない状態で時間が経つのをひたすら待つ。
13:45。
看護師さんがそろそろ行きましょうと呼びに来る。
もうここまできたら覚悟もきまっているのでわりとリラックス。みずから点滴押しながら病室を出て両親も一緒に別棟の手術室へ。
これからお腹切るのか〜となんだか不思議な気分。
今はこんなに元気に歩いているけど明日の今頃はどんな状態になっているのか、どんだけ痛いのか、まったく未知の世界…。
つづく
入院当日
いよいよ来た入院当日(手術前日)
思ってたよりもしっかり眠れたし特に緊張もしていないいつもと変わらぬ朝。
10時に受付。
その後 病棟のナースステーションまで行くとさっそく看護師さんが病室まで案内してくれる。
入ると大部屋なのに2つしかベッドがなくそのうち1つはカーテンで仕切られている。
すでに誰かいるみたい。
いかにも新人です、って感じの若い男性看護師さんがたどたどしい説明で入院中の注意事項など細かく教えてくれた。
そのすぐ横で心配そうに見守る教育係(?)の女性看護師さん(笑)
2枚の用紙に渡り入院1日目から退院予定日までのスケジュールが書かれてる。
事前に主治医の先生からは早ければ1週間の入院と言われていたけどその用紙を見ると退院予定日は10日後になってる。
『あ、入院は10日間なんだ』とその時初めて知るという(笑)
明日が手術なので今日の11時までに下剤を飲んで下さいと言われる。
その時点で10:50。
慌ただしく母親に水を買ってきてもらいコップ一杯の水に対し下剤を全量投入。
目薬みたいな容器に入ってるピコスルファートナトリウムという液体の下剤で特に味も匂いもなく一気飲み。
通常の便秘だと5滴くらいで飲むらしいので全量ってなかなか攻めるよね。
下剤飲むのが初めてだったのでどんな波が襲ってくるのかとにかく心配…。
だいたい7〜12時間後に波が来るらしいけど人によっては3〜4時間でも来ると言われたのでなんだか落ち着かなかったな(笑)
入院中の説明を受け下剤を飲んでひと段落した所で家族は帰宅。
その後入院して初めての食事。
ザ・病院食
↓↓↓
病院食は美味しくないというイメージだったので期待はしてなかったけど案外美味しかった。と言ってもこのメニューなのでマズイ方がおかしいか(笑)
栄養バランス良いしダイエットになればいいなぁと呑気な事考えたりして。
手術前日という事で胃に残りにくい低残渣食というもの。
手術後はしばらく食事出来なくなるのでここはしっかり食べておかないと、と思っていたけど元々お粥が苦手で半分残してしまった…。
その後麻酔科の先生から手術中の麻酔についての説明を受けないといけないので1人で麻酔科のある手術室の方まで行く。
『手術室』と書かれた自動ドア。
なんかここだけ空気が違いすぎる…。
本当にここ入っていいのかな…という緊張感漂うドアを抜けると手術着を着た先生がお二人。
ドラマのような光景に思わず足が止まる。
えーっと…と戸惑ってると1人の先生が出てきてくれて事務室のような部屋に案内される。
そこで麻酔についての説明と同意書にサインを。
全身麻酔で硬膜外麻酔という背中から入れる麻酔をするらしい。
麻酔の話を聞くといよいよ手術するんだな、という実感が湧いてくる(笑)
病室に戻り一休みしたあと15時から手術前最後のシャワーへ。
看護師さんからお臍を綺麗に洗っておいて下さいと言われる。
一応普段からお臍は綺麗にしているつもりなんだけどもう一度念入りに洗っておいた(笑)
シャワー浴びてる間も下剤の波が来てしまうのではないかとドキドキ。
結局想像していたような“何度もトイレに駆け込む”という事もなかったのが意外だったな。
16時頃、看護師さんが再び登場。
手術の時に履く弾性ストッキングの説明をしてくれた。
手術〜手術後に血栓予防の為に履くらしく、いわゆるメディキュットの医療版という感じの膝下までの靴下。
ふくらはぎと足首のサイズを新人君(勝手に命名)の若い男子が慣れない手つきで測ってくれる。
自分の足の太さにびっくりしながら弾性ストッキングMサイズをもらった。
入院初日は手術前日という事もあり、やる事いっぱいでなんだか疲れた。
少し眠くなってきた17時頃、再び新人君が来て今度は点滴ルートの確保。
これまた慣れない手つきで血管を探してる。
よく見ると手が震えているではないか(笑)
プレッシャーを与えてはいけないと全く気にしてませんオーラ出しながら携帯いじったりして目線をそらす(笑)
一回針を入れたものの何か違ったようでまたやり直し。
噂には聞いていたけど地味に痛いのね。
頑張れ新人君。
何事も経験だぞ、と心の中で応援しながら見守ってると主治医の先生も登場。
朝の時点で看護師さんに手術前に先生に聞きたい事あると話していたのでわざわざオペ終わりで病室まで来てくれた。
いかにもひと仕事終えた感じの先生がなんだかかっこよかったな(笑)
先生にはどういう縫い方をするのか(傷が残りにくいようにしてもらいたい)という事と子宮筋腫についての質問を。
今回子宮筋腫は取らないって決めたはずなんだけど気持ち的にモヤモヤした部分があったので最後の質問を。
子宮筋腫を取った場合、なぜ帝王切開になるのか。今回子宮筋腫も手術したとして今後再発してしまった場合、再手術出来るのか。
子宮筋腫を取ると子宮の筋肉が薄くなり子宮が大きくなるのに耐えられなくなるから帝王切開で対応するらしい。
もし再発したとしても手術する事も出来るしよっぽど悪い場所でなければそのまま切らずに済むという事だったのでやっぱり今回は切らなくていいかな、と判断。
最後まで優柔不断で子宮筋腫もやるかどうかで悩んでる私に『まぁ明日の朝までに決めておいて』と笑う先生。
とりあえず聞ける事は聞けたし安心したところでさらにどっと疲れが…。
点滴部分も痛くてなんだか食欲がない。
けどここはしっかり食べなければ、とゆっくり時間をかけて完食。
入院初日の夕御飯(手術前最後の食事)
↓↓↓
食後の回診で37.4度。
謎の微熱。
トイレは結局5回。
思ってたよりも落ち着いてるのに若干の不安を抱えながらも1日目終了。
ナースステーションで鳴り響くナースコールが病室まで聞こえてきてなかなか眠れないし暑くて夜中に何度も目を覚ますし予想はしていたけど全く眠れなかった手術前日。
入院前日
5月12日(日)
朝は準備でソワソワバタバタ。
すでに1〜2週間前から荷物は詰め始めてたので今さら準備するものはほとんどないんだけど。
結局荷物が多くてキャリーケースと大きめトートバックとリュックでパンパンに。
まぁ あと足りないものは家族に持ってきてもらえばいいしなんとかなるでしょっていう感じで午後は普段と変わらない日曜日。
入院前最後の晩餐をと母親に何か好きなものを作ってもらう気マンマンだったのに姪っ子が具合い悪く緊急入院となってしまい私だけお留守番に。
なんだろ、厄払いした方がいいのかなってくらいこういうのって続いちゃう。
そして1人でいるとついマイナスの事を考えてしまって急に手術する事が本当にこれで良かったのか不安が襲ってくる。
ネットで色々調べると人によって症状や治療法が違うからこれが絶対、というのがないだけに見れば見るほど心配に。(←じゃあ見るな)
このタイミングでセカンドオピニオンを受けた方が良かったのかという気持ちが急に強くなってくる。
というのもやっぱり身体に傷が残るのが気になってきて…。
(傷よりもしっかり治す事の方が重要だとはもちろんわかっているんだけど)
傷が残ったらもう小さい水着とか着れないじゃん(泣)って思ったりもしたけど、そもそも水着なんてここ10年着ちゃいない現実←
先生からは癒着が酷そうだから開腹の方がいいと説明を受けていたけど、ネットで見てると私より大きな卵巣嚢腫なのに腹腔鏡で手術した方がたくさんいる。
他の病院だったら腹腔鏡でも出来るんじゃないかという疑問…。
先生の『手術のキャンセルは前日まで』と言う言葉が頭をよぎる…。
いやいや、でも入院&通院はやはり家から近い所がいいし私が行く予定の病院だって地元界隈では婦人科強い方だしなんてったって仕事の有給しっかり出してきちゃったからホント今さらすぎるよねって事で不安な気持ちを無理やりねじ伏せる(笑)
ここまで来たらあとは主治医の先生を信じるのみ。
入院してしまえば楽なのにそれまでの時間がとにかく精神不安定。
必死に退院後の楽しみを考えて乗り切るしかない。
『やるしかない』と『もうどうにでもなれ』
が数時間のサイクルでぐるぐる回る。
不安不安不安な入院前日。
入院準備・その2
子宮筋腫
手術の説明の時、先生に『取っても取らなくてもどっちでも大丈夫だから当日までに決めておいて下さい』って言われた子宮筋腫。
“どっちでもいい”が一番困る……(笑)
まぁどっちでもいいって事は残しておいても危険ではないって事だからやらなくてもいいのかなぁと思いつつも、母親が子宮筋腫で子宮を全摘してたので私の中で“子宮筋腫=手術”と勝手に変換されてしまい不安ばかりが襲ってくる…。(私の場合、子宮筋腫だけ簡単に取れるので全摘の心配は無し)
取ってしまえばスッキリするのかもしれないけど ただでさえ両方の卵巣もいじる上、子宮にまでメスを入れるとは…ついでと言ってもやはり怖い……。
ネットで色々調べてはみるけどたくさんの情報が溢れすぎてて見れば見るほど頭が混乱。
手術の不安と子宮筋腫をどうするかで毎日毎日考えすぎて完全に頭パーーン状態。
手術の説明をしてもらった日から入院日まで約2週間。
途中痛み止めの薬がなくなった事もあって外来で行く事に。
先生に子宮筋腫の事で悩んでるんですって話すと『煮え切らない事言ってしまってごめんなさい』となんとも気さくな返事(笑)
子宮筋腫といっても場所や大きさでどう治療するかは様々で。
出血や痛みや不妊の原因や…何かしら症状が出てる場合には手術するけどそういう事でなければ経過観察って事も多いようで。
少しでも危険要素があるなら一緒に取ってしまいましょう!と言えるけど私の場合、子宮の外側で不妊などの原因になるような場所でもないしモノ自体も小さいので本当に“ついで”らしい(笑)
無事に取ってしまえば確かにスッキリするけど、そうすると出産の時は帝王切開になってしまうしトータルで考えて僕はやらなくてもいいのかなぁと思ってます、という先生の言葉を聞いた瞬間パァッと光が!!!(笑)
先生がそうおっしゃるならそうします!!
なんだか急に気持ちが楽に←単純
今まで夜も眠れず考え込んでた日々はなんだったんだろう。
そうだよね、いくらついでと言ってもわざわざいじらなくても良い子宮までいじる必要はないよね、だよねだよね。てか先生、それ早く言ってよってなくらい急に笑顔になる私。
『じゃあ子宮筋腫はやらない方向でお願いします』と頭を下げる私に『まぁでも当日までに決めてもらえば大丈夫なので』と念を押す先生(笑)
どんな時も治療法の選択は患者自身なのね。
手術まで時間があったし色々考えてる間にも不安がどんどん募ってきてたのでこうやって先生に話を聞いてもらって本当に安心。
なんでも聞ける先生ってとってもありがたい。
今はネットで検索すればなんでもわかる時代だけど病気の事は人それぞれ、その人の症状や先生や病院によって治療法って色々変わってくるのであまりネットの情報を鵜呑みにするのは良くないなぁと反省もしたりして。
影響されやすい自分は特に気をつけないと(笑)
入院準備
入院の日にちが決まればあとは準備。
病院でパジャマも借りられるけど有料だし着慣れた部屋着の方がリラックス出来そうと自分の部屋着の中でどれを持って行こうか見てみる。
なんかヨレヨレだな、おい。
スウェットもTシャツもいくら病院で着るとはいえさすがに恥ずかしいレベルの物が多すぎる。
私の女子力どこ
気に入ってるTシャツもあるけどあんまり胸元開いてるのは病院向きじゃなさそうだし…。
意外と持ってるやつは使えないかも。
って事でこれを機に買い換える事を決意しUNIQLO、GUへGO(なんせ物入りなので金欠気味)
いや〜、UNIQLOのセールと重なってて良かったわ〜(切実)
汗も吸い取るというスポーツ用のスウェット(退院してもウォーキングで使えそうなやつ)や、カップ付きのキャミソール、シームレスショーツ(下腹部への負担が少ないので術後に最適)などなど入院&退院後にも使えそうな物を色々と買っておく。
他にも百均で買える細々した物も買いまくり。
病院からもらった入院のご案内によると、洗面器や石鹸も書いてあるんだけど本当にいるのかなぁ…と密かな疑問。石鹸ってボディソープあれば大丈夫だよね?それとも古い病院だから石鹸っていうくくりにこだわりでもあるのかしら?とかとか。わりと真面目に準備しちゃうタイプなのでこの辺もいらないだろうなぁと思いながらもしっかり石鹸ケースまで準備←
食事に使うプラスチックのコップもなかなかカワイイのが無くて苦労した。
それこそ百均でいいじゃんって感じなんだけどただでさえ質素な病院の食事。
せめて食器だけでもカワイイ物を使いたい、という乙女心(30オーバーですけど何か)で探しに探したんだけどやっぱりコレってものが無くて(あっても高すぎて)結局入院ギリギリにスヌーピーの黄色いコップをゲット。
スヌーピーの表情があんまり好きなやつではなかったけど実際使ってしまえば本当にどおっでもええ事だった(探した意味)
それ以外に普段使ってるもので持って行って1番良かったと思えたのがコレ!
USBの小型扇風機。
携帯のモバイルバッテリーでも使えるから本当に便利。(もちろん外でも使えるからアウトドアでも グッ)
病室って温度が決められていてとっても暑いしなんとなく空気がこもってる感じがするからこれでかなり解消出来る。
暑がりな私としてはこれがなかったらと考えただけでも恐ろしいくらい本当に役立った物のひとつ。
あとはトイレ用の流せるウェットティッシュ。
体も拭けるタイプと便座専用と両方を大量に。百均でも売ってたけど小林製薬の便座除菌クリーナが1番強力で頼もしかったな。さすが高いだけある。
病院のトイレってお年寄りも多く使うからあまりキレイではない時も多くて。
古い病院だったからかトイレに除菌クリーナーが無いのはとっても不便だったなぁ。
手術で数日お風呂に入れないという入院生活でイヤでもぶち当たるのが“シャンプー出来ない問題”。
昔からある水のいらないシャンプーは一回だけ使った事あるけど髪の毛ギシギシになったしそれならやらない方が良かったってレベルだったので即却下。
色々調べてみて介護用、災害用など気になるものはあるんだけど今ひとつ口コミがよろしくなかったり…。
そんな時に見つけたのがコレ!
ラッシュのドライシャンプー、
その名もドライミー。
ベビーパウダーと同じ成分で出来てるらしい。触った感じもまさにベビーパウダーそのもの。(香りは爽やかなシトラス系)
欧米人は毎日シャンプーをしないからこういうドライシャンプーを使う人が多いとかなんとか。
店員さんに聞いてみたところ、入院中でも使えるし夏とか頭皮のベタつきが気になる時や帽子をかぶった時とかにも使えるから夏の普段使いにも最適との事。
上手くつけないと粉が舞うけど肌にも髪にも良さそうだからとこちらもゲット。
あとはファブリーズ的な消臭&除菌スプレー。
他の患者さんの迷惑にならぬようきつくない香りのスプレーを持参。
シーツは週一回の交換になるのでとにかくこまめにシュッシュッ。
自分の好きな香りだとこれだけでもだいぶ違う。
お風呂が入れない間は特に持ってきて良かったと思った物のひとつ。
ナンダカンダで必要なものが多くなりわりと大きめのキャリーケースを出動させる事に。
こりゃ遠征なみの荷物の多さだな…。